日本の気候でも育つことが出来る「もんげーバナナ」。その核である凍結解答覚醒方について、以前お話させていただきました。 この技術の産みの親である田中節三氏の著書である「奇跡のバナナ」には、それ以外にも興味深い事がいくつも書かれてあります。  この時期、外で作業をしていますと悩まされるのが「蚊」なのですが、この蚊は、人間の「蚊がいる、やっつけてやろう」という脳波を察知して逃げていく、という内容の記事がありました。この記事を初めて読んだのが冬だったので試せなかったのですが、最近になってようやく試す事が出来ました。 確かに、蚊を捕まえようと体制を変えたりしなくても、こちらが「蚊の存在に気付いた」瞬間に視野から消えて行きます。これが、屋外で10匹以上に囲まれてしまうと、もうそんなことお構いなしに刺され放題になってしまうのですが・・・ 私は、田中節三氏の言われる「脳波」もですが、人間の視線を察知するのかな?とも感じました。 ただ、蚊は「複眼」の持ち主ですから、人間の見えてる世界とはまったく見え方も違うはずです。やはり脳波、なのでしょうか。 どちらにしても、植物や昆虫は我々人間の常識では考えられないような能力を秘め持っています。 色々な事が解明されていくと、これまで「非常識」だったことが「常識」になることもあります。暖かい地方でしか育たないはずのバナナやマンゴーが、日本でも育つように。 そういう目線で自然界を見ていると、ちょっとワクワクしてきます。
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「凍結解凍覚醒法」により引き出される植物の能力は、熱帯の物が寒い地方でも育つ、という事だけに止まりません。 我々は、この事を「氷河期効果」と呼んでいます。 凍結解凍覚醒法を生み出すにあたって使われたパパイヤ。このパパイヤという植物は熱帯の植物ですので、もちろん日本で育つことはありませんでした。気温が13°を下回ると枯れてしまいます。 凍結解凍覚醒法で生まれ変わったパパイヤはこの日本で育ち、見事な実を収穫することができるのですが、「氷河期効果」がもたらすのはそれだけではありません。 凍結解凍覚醒法で生まれ変わったパパイヤの遺伝子解析を行ったところ、DNA転写が通常の30倍以上という結果が得られました。理論的には、DNAの転写が30倍ということは、通常の30倍のスピードでの成長が可能ということです。もちろん30倍というのは理論値ですので現実的には数倍ですが、それでものパパイヤが通常の半分以下のスピードで収穫できるようになりました。  植物は、周りの環境に合わせてその形態や性質を進化させていきます。凍結解凍覚醒法は、その進化を一旦リセットし、本来その植物が持っていた能力を新しい環境に合わせて最大限に引き出方法してくれます。地球に最後の氷河期が訪れる以前のバナナやパパイヤが、実際どのような形状で、どういう環境で育っていたのか、それを正確に判明させることはできませんが、その秘めたる能力は、我々人間の持つ既存のものさしでは計り知ることが出来ないほどの物だったのではないでしょうか。 凍結解凍覚醒法の産みの親である田中節三氏の元では、まだまだ研究も進められています。「皮ごと美味しいもんげーバナナ」の誕生は衝撃的な出来事でしたが、今後さらに驚くような、ワクワクするような発見もあるのではないでしょうか。 私はそれが、今から楽しみでなりません。
「凍結解凍覚醒法」について、ここまでざっくり書かせていただいたのですが、よくあるご質問に「バナナは種が無いのに、どうやってるの?」と言うものです。 そう、確かにこの「凍結解凍覚醒法」の試行錯誤は、パパイヤの種を使って行いました。そして、バナナは通常「株分け」によって増やしていきますので「種」がありません。 植物は、動物とちがい一つの細胞から「根」、「茎」、「葉」といったものに成長する能力をもっています。身近で解りやすいもので例えますと、じゃがいもは、バラバラにして土植えると苗が出てきます。さつまいもも、茎を切って土に刺しておくと、そこから根が生え成長していきます。  バナナの根にある「成長細胞」を「凍結解凍覚醒法」にかけます。ただ、バナナの場合はちょっと手をかけてあげなくては植物としての形になってくれません。 バナナが芽を出す為のホルモンである「オキシトシン」と、根を出す為のホルモン「サイトカイン」。この二つのホルモンのバランスをとってあげると、芽と根が出てきて、植物体としてのバナナになります。 よく、この「凍結解凍覚醒法」を「品種改良」と混合される方がいます。 ものすごく広い意味でいうとそうかもしれませんが、一般的に行われている品種改良と「凍結解凍覚醒法」は、根本的な考え方やその技術、過程は全く異なるものなのです。  凍結解凍覚醒法により生まれたバナナが、ここ光市でどんどん育ち始めています。興味のある方は、ぜひ一度見学に来ていただけたらと思います。これからの寒い気候でも、活き活きと成長しているバナナをご覧いただけますよ!
バナナの苗の植え付けも順調に進み、農園の方は少し落ち着きを取り戻しています。今回は、また「凍結解凍覚醒法」の続きをお話させていただこうと思います。 前回、「1日に0.5度づつ温度を下げることの出来る冷蔵庫」の事をご紹介させていただきました。 凍結解凍覚醒法では、この冷蔵庫を使い約半年をかけて摂氏マイナス60度まで温度を下げます。 この時、植物の細胞まで壊れてしまわないように、天然の不凍液とも言われる「トレハロース」に浸して細胞を保護します。 が、実は摂氏マイナス60度の環境では植物細胞のDNA以外は全て破壊されてしまいます。 この状態は、人間に例えるとDNAの記録された「骨」だけが残り、肉体、もっと言うと生命が失われた状態です。 つまり、「死体」とも言えるこの残ったDNA。そこに特殊な操作を施し、細胞を再構築させ蘇らせるのです。 この蘇生段階で生まれてくるRNAに、例えば、バナナなら、寒い環境でもしっかり育って美味しい果実を実らせること可能な遺伝情報をDNAから引っ張り出させます。 この技術は、おそらく「科学者」は「科学の常識」に捉われてしまい、辿り着くことは出来なかったと思います。なにしろ、一旦「死んだ」ものを蘇らせるわけですから。しかし、田中節三氏は科学者ではなく「研究者」です。 気の遠くなるような試行錯誤を重ねていき、DNAからRNA、細胞を蘇らせ、南国でしか育たない植物をこの日本の気候でも育つを可能にし、更には、南国で育ったものよりも美味しく実らせる事を実現されたのです。  この成果と技術は、アグリテック・サミットでも最高賞のSMBCを授与される等、国内外から高く評価され、今後の展開にも大きな注目を集めています。
今週末、また台風が接近しており、お天気も崩れてきてます。 ハウスの方の準備作業への影響を最小限に止めることが出来るよう、スタッフ総出で頑張っています!さて、今回は「凍結解凍覚醒法」についての続きをお話させていただきたいと思います。前回、「氷河期を再現する」ことについて書かせていただきました。 10年という長い試行錯誤の末、ようやく辿り着いた「氷河期の再現」。それは、いったいどのくらいの時間をかけて、何度まで温度を下げたら良いか。いわゆる「熱傾斜」というものなのですが、植物にとって耐えることの出来る、この「熱傾斜」を見つけ出すことで大きく前進しました。 バナナを始め、植物が枯れることなく寒さにも耐えるように細胞を変化させていくことの出来る熱傾斜。その答えは、一日あたり0.5度づつ温度をさげる、というものでした。 この、「一日あたり0.5度づつ温度を下げる」ことが可能な冷蔵庫というのは、もちろん当時この世の中にはなく、普通の冷蔵庫メーカーに相談しても相手にしてもらえませんでした。 そこで、海外で自動制御技術の研究をしていたことのある田中節三氏の兄に相談し、AI(人工知能)が画像処理に使うアルゴリズムを応用した冷蔵庫のコントロールユニットを完成させたのです。 それは、このコントロールユニットの制御プログラムだけでも特許が取れるほどの物でした。  この冷蔵庫の完成により、「凍結解凍覚醒法」は、一気に実現に近づいたのです。
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